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<<   作成日時 : 2007/07/04 18:27   >>

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メシアン、オリビエ
(1908〜1992)
参考曲:世の終わりのための四重奏曲

 20世紀最大の作曲家かもしれないと目される人だけに、一応ご来臨いただいて、ご挨拶だけで帰ってもらおうかと思う。敬して遠ざけるという寸法。大体、生まれ年と亡くなった年がいい。ほぼ20世紀すべてに関わったといえる。ヴィラ=ロボスこそ最大か、とも思うけれど、彼は20世紀の前半だけ、武満は後半だけ。メシアンに近い世代で代表的な作曲家を探してみると、コープランド、ロドリーゴ、ハチャトリアン、ティペット、バーバー、ケージ、ブリテン、伊福部と、いろいろいるけれど、作品の量、話題の多さなど、イメージとしてメシアンの重量感に勝てる存在がいないようだ。
 まあ、そんな順位付けはどうでもいいことなので放っておいて、彼の聴くべき作品のことについて話を進めよう。
 オルガニストなので、オルガン曲から1曲「キリスト昇天」。これは昔、ストコフスキーも録音したことがあるほど、ポピュラリティーのある内容。曲想がまだあまりくねくねしていなくて聞き易い。ただだ美音に身をゆだねて、救い主の昇天を喜びとする平和な精神が、堂を埋めるだろう。録音でしか聴いたことがないけれど、一度教会で聴いてみたいと願っている。チョン・ミュンフンによるオーケストラ版もこの上なく美しい。サン=サーンスの第3番交響曲とのカップリングも絶妙。
 若いときに音楽院の同級生ビュイグ=ロジェに捧げた「前奏曲集」も、分かりよい曲。「幼子イエスにそそぐ20のまなざし」はピアニストに人気の曲で、ベロフ、児玉桃など名演が多いようだが、ピアニスト本人たちが思っているほど名曲だとは思えない。ピアノという楽器をいかに鳴らすかということに神経が集中しすぎた曲だと思う。
 ヴァイオリンのための「主題と変奏」はクレーメル、アルゲリッチというまたとない組み合せで名演に恵まれている。現代ものは名演があるかないかで、その曲の価値が大きく変動する。そういう意味では、メシアンが自らピアノを弾いた「世の終わりのための四重奏曲」は演奏に恵まれた。ナチの収容所で書かれたというエピソードもさることながら、「イエズスの永遠性に対する頌歌」「イエズスの不死性に対する頌歌」の2つの楽章の美しさは喩えようがなく、20世紀のもっとも美しい音楽の一つに数えなければならない。同じテーマを歌いながら、ソロがチェロからヴァイオリンへと交代するけれど、どちらも捨てがたい魅力がある。半音階の不安定なメロディーなのに、永遠性や不死性を歌うことができるのは、より高みへとめざす不断の意思が感じられる勁さ、逞しさがあるらだろうか。静かな曲なのに聴き終ると、心の裡から温かさを感じることが多い。素直に名曲と認めよう。

メシアン/パスキエ兄弟/ヴァスリエ「世の終わりのための四重奏曲」ERATO REM1504
タッシens「世の終わりのための四重奏曲」RCA R32C1078
メシアン「キリスト昇天」EMI 724357488620
L.ティリー「キリスト昇天」CALIOPE CAL9526
L.ストコフスキー「キリスト昇天」LONDON GT9165
チョン・ミュンフン「キリスト昇天」Grammophon 435854-2
G.クレーメル/M.アルゲリッチ「主題と変奏」Grammophon  427351-2

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