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zoom RSS 40年代ピアニスト/第24回「M.ベロフ」

<<   作成日時 : 2012/04/07 21:54   >>

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●『ミシェル・ベロフ』1950〜
※参考盤:「ドビュッシー/ピアノ曲全集」「プロコフィエフ/ピアノ協奏曲全集」「メシアン/幼子イエスにそそぐ20の眼差し」「バルトーク/ソナタetc.」

これほど機械的にリズムがキレるピアニストも珍しい。キッパリしていてまったくもたれるところがない。グールドのようにノンレガートに頼ってリズムを際立たせるのではなく、生来的に切れ味を持っている。ただ、余韻に頼らない演奏はどうやらロマン派には適さないようだ。どうしても、ドビュッシー以降ということになるようだ。J.Ph.コラールとの連弾によるハンガリー舞曲、スラヴ舞曲はあるけれど。
ドビュッシーは二度録音しているが、ほとんど差がない。しいて言えば、二度目のほうが、より曖昧な部分がなくなり、決然とした音楽になっている。ドビュッシーの詩情などに振り回されることなく、純粋に音響として厳しく彫啄している。透明な美しい響きのなかから、自然に詩が沸き起ってくる。
何かを表現しようという意欲を厳しく律することでようやく到達した境地。凡庸なピアニストは足下にも及ばないだろう。
ベロフの最大の魅力は機械的のようでいながら機械的ではないところ。非情に徹しているようでいて、音楽はすばらしく表情豊かに聴こえる。たとえば「束の間の幻影」のような小品が生彩を放つのは、音楽に込められた心の機微をよく理解しているからだろう。ことさらに童話的にするのではなく、いつも通りにリズムの特性を明確に描き出し、車窓に映る一瞬の風景のような儚いイメージの曲を、しっかり個性的な生命を吹き込んでいる。
メシアンでも独得の夢幻的世界をリズムとメロディー、ハーモニーがそれぞれ円環をなして回転しているような音楽の酩酊的な快感を見事に作り出している。20歳やそこらで、この独得の“美”を掌中のものにしていのだから、やはりただ者ではなかったのだ。

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