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zoom RSS 40年代ピアニスト/第17回「クンウー・パイク」

<<   作成日時 : 2012/02/05 17:27   >>

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●『クンウー・パイク 』1946〜
※参考盤:「ラヴェル/ピアノ協奏曲」「ブラームス/ピアノ協奏曲第1番」「ショパン/協奏曲全集」

韓国が誇る名ピアニスト。力強い打鍵と、しっかりした構成力、落ち着いた精神力でどんな曲にたいしても一定以上の成果を上げる期待がある。ラヴェルはベルティーニがバックを引き受けている。先鋭な感覚性は聞こえてこないが、どっしりとした安定感があり、不思議に愛聴している。演奏家がのめり込んで感覚性を表現しようとしているものには客観性がなく、聴く側からすると入り込みづらいときが多い。その点、逆に抽象的に投げ出された音から、聴衆のほうが自主的に何かを聴き取るときにより先鋭な、生きた感覚美が生じやすい。
ベルティーニはマーラーの全集でも、音楽が自然に立ち上がってくる指揮振りだったけれど、ここでもラヴェルの人工美というような評言に頼ることなく、音楽がみずみずしく流れるように手を貸しているような自然な音楽を作り出している。何度聴いても飽きないのはその辺りに秘密がありそうだ。
一方、ブラームスはインバルの伴奏。かれもクールなタイプ。構成派どうしの組合わせで、がっちりとした音楽が生まれてきている。パイクのどっしりとした音色はドイツものに適していて、ラヴェルより本領を得た感がある。ハッと息を呑むようなテンペラメントの輝きのようなシーンは皆無なのだけど、一曲をずっと聴き通させるだけの音楽的論理を持った説得力がある。ずしりとした聴後感に満たされるだろう。カップリングのオリジナル主題の変奏曲などもめずらしいレパートリーで重宝する。
ショパンはアンソニー・ヴィトの指揮。ロンドや変奏曲などすべてを盛り込んでくれているのはありがたい。
思いのほか可憐な音色も駆使できるというところは発見。ただ、全体にロマンティックを意識し過ぎているのか、眠いほどののろのろテンポで閉口する。

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