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zoom RSS 40年代ピアニスト/第3回「リマ」

<<   作成日時 : 2011/10/09 11:32   >>

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●『アルトゥーロ・モレイラ・リマ』1940〜
※参考盤:ショパン「名作集」/ナザレー「ブラジルのワルツとタンゴ」/「ショーロ集」

 60年代から70年代に躍り出てきた南米勢力の一人。アルゲリッチ、ゲルバー、バレンボイム、フレイレ、シドン。ほかにも消えてしまったけれどシルヴィア・ケルセンバウムとかオメロ・フランセシュなどがいた。
 リマはショパン・コンクールでアルゲリッチに次いで2位入賞で名を上げた。逆にそのせいで負け犬イメージが付いたとも言えなくもない。
 コンサートやレコーディングの情報はさっぱり伝わってこず、ブラジルのポップスを扱うCDショップでショーロの棚を漁っているとたまに新盤に出会うことがある。もうすっかりショーロ界のピアニストになってしまったのかもしれない。『B面クラシック』としては推賞しているジャンルだから大いに歓迎するが、せめてギターのトゥリビオ・サントスのようにヴィラ=ロボスくらいは演奏して欲しいと思う。
 さて、ショパンはスケルッツォ第2番や幻想即興曲のような有名曲ばかりを集めた入門者向けの廉価版企画のようなものだ。しかし、1曲1曲が過不足なくイメージ通りに弾かれている。スケール感にも不足はないし、テクニック的にも切れ味がいい。とても素通りするわけに行かない趣味のいい演奏をしている。イメージを打破するような革命的な演奏家ではないことは間違いない。だけど、イメージ通りというのが案外難しいことで、技術的な壁があったり、思い入れが勝ち過ぎて逆に凡庸に堕したりする。ショパンを弾いて、瑕なく平均以上の印象を残すというのはそれはそれで難事業なのだ。
 その点、ナザレーでは圧倒的に先駆者の労が報いられて、未だに彼を凌駕する演奏に出会うことがない。彼がアルバムを出したのが87年。その後、館野泉やジョシュア・リフキンの演奏にも出会っているが、リズムの生気、コケットリーある表情などあらゆる面において独壇場の感を強めるばかりだった。
 同じ路線の「ショーロ集」ではポップス界の仲間たちとハツラツとした演奏を繰り広げている。ブラジルはヴィラ=ロボスがクラシックの世界にあってショーロを取り入れたことで、クラシック、ポップスの両世界からブラジル音楽の父と崇められており、二つの世界が彼を通じて門戸が開かれている。垣根がない。その融通無碍な感じがいつも心を解きほぐし、温めてくれる。

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