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zoom RSS コヴァセヴィッチ楽派宣言58 DVD ベートーヴェン/ディアベリ変奏曲他

<<   作成日時 : 2010/11/27 12:40   >>

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Vol.55ベートーヴェン『ディアベリ変奏曲』他

ベートーヴェン ディアベリの主題による33の変奏曲
        バガテルOp126-5
バッハ     パルティータ第4番
シューマン   子供の情景

DVD idealaudience Live at Verbier Festival 2009   3079238
2009年7月28日録画 スイス・ヴェルビエール

 曲目は前回のONYXのCDとほとんど同じ。拾い物は『子供の情景』が入っていること。ピアノ協奏曲が名演で、これほど詩情豊かな演奏はほかにないだけに、シューマンの録音が待たれていた。果たせるかな、これまた静かな大名演。第1曲の“見知らぬ国”で、もう遥かな子供の国へ連れ去られてしまう。このDVDではタイトルバックに“トロイメライ”が流れて、テーマ曲の扱いを受けている。しかし、それ1曲が素晴らしいのではなく、13曲それぞれに息遣いが聞こえるような、馥郁とした音楽になっている。楽句の特徴に合わせて、跳ね、踊り、歌う。テンポの出し入れ、リズムの細かな変転。恣意的でありながら、むしろ自然な音楽の理路が作り出されて行く。短い曲集なのに、聴き終ると思わず深い息をする。
 DVDであらためて、手元を見てみると、手の甲を丸めた旧派に属する技術であることが分かる。あまり腕を持ち上げることなく、指単独の力で強力なfを叩き出すことができる。それを可能にしているのは小さいけれど肉厚のぼってりとした手だ。完全に指が分離していて、よく回る。その活発な動きを見ると、猛烈なスピードで動いているにもかかわらず、少しも機械的に感じられない。むしろ一つひとつの楽句のもつ運動的な機微を目一杯楽しんでいるように映る。運動メカニズムの快感の追究。それと情感の流れ、深さを同時に追求できるところが並のピアニストと違うところだ。
 『ディアベリ』と『パルティータ』については先に書いたものと大きく異なるところはない。
 このフェスティバルへの登場もcourtesy of ONYX Classics ltd.と書かれているので、どうやらマネジメント権もONYXが持っているようだ。この分だと、遠からず同社から新しいソースが出るのではないかと、期待を込めて見守っている。

 ということで、完全評を目指したものの、LDはもはや入手できないし、DVDには手を出さないものもあったり、音楽祭ものは面倒臭かったり。
 同じ曲の再録についてはけっこう言葉に窮してしまう場面も多く体験した。しかし、それがさほど苦痛でなかったのは、やはりコヴァセヴィッチの演奏の魅力に尽きるだろう。
 読者諸氏には、この不人気の名人ピアニストの存在に注目してもらいたい。できることなら今後の活動だけでなくかつての名盤の掘り起こしにもぜひ熱心になっていだきたい。コヴァセヴィッチ応援団団長の切なる願いである。

 しばらくお休みをいただいて、次回以降はコヴァセヴィッチを筆頭とする40年代生れのピアニストの紹介をしたいと思っている。40年生れのエッシェンバッハからはじめて、50年生れのベロフあたりまで、30人あまり。一人一回完結の形にしたいと今のところ考えています。またよろしくご愛読のほどを。

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